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インターネットより
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インターネットより
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インターネットより ◇その二◇
2001年12月26日 
「ホテル税導入」の石原都知事は“悪代官”
取材・文:草薙厚子 取材:島田健弘 

「えっ!? ラブホにまで掛かるの?」
「こういう(ラブ)ホテルまで掛かってくるというのはイヤですね」
東京都のホテル税導入について渋谷・円山町のラブホテル街でカップル数組にインタビューを試みたところ、代表的な反応がこれだった。 さらに20歳後半の女性は興奮気味に話す。
「反対しても、また何か別の税金が出てくるのでしょうし、まさに石原知事は自分を何様だと思ってるんだ! って感じです。それに石原知事のことは元から好きじゃないですから」
ホテル税条例は、ラブホテル料金も容赦なく課税対象に含まれてくる。
「消費税といっしょに都に持っていかないといけないから、手間が掛かって大変だね」と、あるラブホテルの従業員は仕事が多くなると嘆く。 

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■ 「まず局長クラスの自宅送迎を止めよ」 
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この新税に関しては鳥取県の片山善博知事から「(ホテル税導入は)東京に来て欲しくないというメッセージ」だとの批判も出たが、石原慎太郎都知事は「東京にたくさん人を呼ぶために考えた。鳥取の知事はトンチンカン」と終始強気だった。そして、とうとう首都・東京都のホテル税(宿泊税)条例案は12月19日の都議会で可決・成立した。

日本初となるホテル税は、一人1泊1万円以上の宿泊者に100円を課税するもので、1万5000円以上は200円を徴収される。結局、石原知事の希望していた来年5月から行われる日韓両国が開催するサッカー・ワールドカップ実施前の導入は、反対意見などの調整に手間取り、また、総務大臣の同意が無い限り実施はされないため、施行されるのは来夏以降になる見通しだ。

都の試算では都内に旅館業法の許可を取っているホテル・旅館は約2200あり、そこで、1万円以上の宿泊料金が対象となる。年間約15億円と見込むホテル税収の使途は観光振興目的に限定するものだ。税金を取れるところどこからでも取れという石原知事の強気な姿勢が窺える。先進国では既に米国・ニューヨーク市、フランス、スイス、フランス、ベルギーは徴収しており、イタリア・フィレンツェ市でも検討中ということだ。しかし、ヨーロッパなどのホテルの料金は日本と比べると遥かに安い。

条例成立までの都の財政委員会でも侃侃諤諤の意見が闘わされた。賛成は自民党、民主党、公明党。共産党と生活者ネットワーク、無所属の一部の方が反対という結果。賛成側は、「観光産業を振興するのは重要なことで、その目的としてホテル税というものを導入するのは諸外国にも例があり、理由が明確」と主張する。

一方、反対側の言い分は、「観光振興のために税を導入するということには賛成できない。一般財源でやるものだ」、また、「財政が厳しいといっても、いろいろ捻出すれば15億円くらい出る」というもの。内容的にも、「東京都がやるべき問題なのかどうか」、「税が目的税として適切ではない」と導入に関してさまざまな角度からの反対意見が出た。

強く反対してきた都議会議員の後藤雄一氏(行革110番)は、新税導入の前に役所側が努力するべきだと指摘する。
「新たな税金は全部反対だ! この景気が悪いと言われている中で、心理的な部分も大きく、また増税するというのか!? 『隗より始めよ』という言葉どおり、自分達から考えなくてはいけないんですよ。まず、年間1億6000万円も掛かる都の局長クラスの自宅送迎をやめさせるべき。無駄遣いはまだまだあります。異常な役人の税金の遣い方を改めたら、財政難はなくなるんですよ。役所の無駄遣いは底なし沼状態。そこをただせば15億円など節約できるんです」

たとえば、東京都の財源を食いつぶす代表例として「国際フォーラム」が挙げられる。建設費1650億円、平成30年の修繕費は412億円になるという。年間の事業収入はたった6億〜8億円で、家賃免除の状態であり、普通の会社経営では成り立たないやり方である。
「民間企業が買わないので、壊すしかないでしょう。新地(さらち)にすれば600億円で処分できるので、赤字を垂れ流すよりこのほうがマシ」(前出・後藤都議) 

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■ 目的税が雪だるま式にふくらむ 
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新税導入について、ほかの地方自治体からの意見も聞いてみた。
「都は人が集まるし、土地も高いということで、良い面と悪い面が同居しているから、税収は取ろうと思えば簡単に取れると思います。しかし、都もバブルの反省をして財政の収縮、確保を考えるなら外から取るんじゃなくて、都の持っている財産を処分する方向に本来は行くべきじゃないかと思いますね。ホテル税につきましては、“県民のお金で前もって街をキレイにするのか”“県外からくる人にお金を払ってもらってキレイにするのか”というふたつの考え方があって、東京都は後者を選んだ代表的なものですけど、今後そこまで割り切れるような考えになっていくのかが問題ですね」(島根県財政課)

東京都は、ここにきてようやく観光振興の重要さを認識したようだが、それをホテル 税で行うのでは本末転倒である。
「東京都は観光を産業と位置付け、産業労働局という局の中に新たに観光産業課というものを作りました。今までは東京都の産業振興に観光なんて入っていませんでした から、予算なんてつけられません。そこで、税制調査会で(ホテル税を)財源として使ったらどうかという意見があり、この案を11月に出しました。'98年度は277万人が 東京都に来ていますが、同じアジアのシンガポールは600万人超だったんですね。都としては2006年ぐらいに追いつきたいと考えています」(東京都・主税局税制調査担当者)

本当に観光振興を考えるのなら、NewsWebJapan10・17号でも報じたようにカジノ構 想を真剣に検討すべきである。

税制に精通している海江田万里衆議院議員は税より先に景気浮揚策を考えなければならないと言う。
「年間15億円は小手先の増収先でしかなく、もっと抜本的な増収先というのが必要なのですが、一にも二にも景気が良くならないことには税収は増えません。財務省予算で東京など大都市の再生というのを謳っていますので、重点的に予算配分をしてもらって、東京を活性化させて、そこから日本の景気全体を良くしていかなければならない。景気の悪いときに増収策、増税というのは受け入れられないが、規模が小さくて百円玉1枚2枚のことだから、苦肉の策なのであえて反対はしません。しかし、今後、値上がりしていく可能性もあるため、目を光らせておく必要があるでしょうね」 

もし、東京都のホテル税が実施されれば地方自治体がそれに追随し、法定外目的税など地方独自の課税措置を続々と導入してくるのは目に見えている。当初は企業課税がほとんどだったが、昨今では、個人に負担を求める新税が提案されている。東京都の都外からの大型ディーゼル車が入るとき税を掛ける『高速道路利用税』や東京都杉並区の『レジ袋税』、札幌市の道路の除雪費に当てる『雪目的税』などまさに雪だるま式にふくらんでいきそうだ。

ホテル税導入騒動は、'90年の英国・サッチャー政権の幕引きの前奏曲となった人頭税(人の頭数に応じて税を掛ける)騒動を思い起こさせる。所得額に関係なく、長期滞在の外国人も含め18歳以上の住民に一律の税額を徴収する「人頭税」導入にあたり、反税デモがおこり、「マギー(首相の愛称)、アウト」のシュプレヒコールと共にサッチャー女史の人形が焼かれた。そのため、その年11月に行われた保守党党首選挙への立候補を断念せざるをえなくなったのである。石原知事もホテル税の導入成功でほくそえんでいると、後味の悪い結末になる可能性もある。

石原氏の打ち出した新税は追随する地方自治体を生み出すことになり、国民は払う負担が増える一方である。それぞれの自治体が無駄な施設等を処分し、会議の際の足代、人件費などを削減するのがまず先決である。これから新税をエスカレートさせていけば、石原知事はまさに悪代官そのものになってしまう。民草(たみくさ)もいつまでも黙っていませんぞ。